夏の養生とは? 東洋医学から学ぶ季節の過ごし方

東洋医学

夏は太陽の光が強くなり、自然界の活動が最も活発になる季節です。

旅行やレジャー、スポーツなどを楽しむ機会が増える一方、厳しい暑さによって「体がだるい」「食欲がない」「のどが渇く」「よく眠れない」といった不調を感じることもあります。

東洋医学では、夏は一年の中で最も「陽(よう)」の気が盛んになる季節と考えられています。

活動的に過ごしながらも、暑さによる消耗を防ぎ、上手に休む。

夏はそんな養生を心がけてみましょう。

目次

  1. 東洋医学で考える「夏」
  2. 夏の暑さと「気」「津液」
  3. 夏と「心」の関係
  4. 夏に起こりやすい心と体の変化
  5. 夏の養生① 暑さを避ける
  6. 夏の養生② 水分をこまめに補う
  7. 夏の養生③ 胃腸を冷やしすぎない
  8. 夏の養生④ しっかり休む
  9. 夏におすすめの食材
  10. 夏におすすめのツボ
  11. まとめ

東洋医学で考える「夏」

東洋医学では、夏は一年の中で最も「陽」の気が盛んになる季節と考えます。

草木が大きく成長するように、人も活動的になりやすい時期です。

外出したり、体を動かしたりして、夏ならではの活動を楽しむことも季節に沿った過ごし方といえるでしょう。

一方、夏の強い暑さは体力を消耗させます。

特に近年の夏は厳しい暑さが続くため、活動することと休むことのバランスが大切です。

元気に動きながら、暑さで消耗しすぎない。

これが夏の養生の基本になります。

夏の暑さと「気」「津液」

夏にはたくさんの汗をかきます。

東洋医学では、汗は体を潤す「津液(しんえき)」の一部と考えられています。

そのため、汗をたくさんかくと津液が失われ、のどの渇きや体のほてりなどにつながると考えます。

また、汗とともに「気」も消耗しやすいとされています。

暑い日に外で長時間過ごしたあと、体がぐったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

夏は、暑さによって失われる水分と体力を適度に補いながら過ごすことが大切です。

夏と「心」の関係

東洋医学では、夏は五臓の「心(しん)」と深い関係があると考えられています。

ここでいう「心」は、現代医学の心臓だけを意味するものではありません。

東洋医学では「心」は血を全身に巡らせるとともに、精神活動にも関係すると考えます。

暑さが続いて心身が消耗すると、イライラしたり、気持ちが落ち着かなかったり、眠りが浅くなったりすることがあります。

夏は体だけでなく、心もゆったり休ませることを意識してみましょう。

夏に起こりやすい心と体の変化

夏には、次のような不調を感じることがあります。

  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 食欲が落ちる
  • のどが渇く
  • 体がほてる
  • 汗をたくさんかく
  • イライラする
  • 寝つきが悪い
  • 眠りが浅い

暑いだけでも体には負担がかかります。

さらに、屋外の暑さと冷房の効いた室内を何度も行き来することで、体調を崩すこともあります。

無理をせず、その日の暑さや体調に合わせて過ごしましょう。

夏の養生① 暑さを避ける

夏の養生で最も大切なのは、暑さを我慢しすぎないことです。

外出するときは帽子や日傘などを活用し、できるだけ直射日光を避けましょう。

長時間屋外にいる場合は、日陰や涼しい場所で休憩を取ることも大切です。

室内ではエアコンを適切に使用しましょう。

東洋医学では自然に合わせて暮らすことを大切にしますが、暑さを我慢することが養生ではありません。

現代の厳しい夏では、冷房も上手に利用しながら体を守ることが大切です。

夏の養生② 水分をこまめに補う

汗をかく夏は、水分補給が欠かせません。

のどが渇いてから一度にたくさん飲むのではなく、こまめに水分をとることを意識しましょう。

たくさん汗をかいたときには、水分だけでなく塩分も失われます。

運動や長時間の外出などで大量に汗をかいた場合には、水分とともに塩分も適切に補うことが大切です。

特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなることがあるため、意識して水分をとるようにしましょう。

夏の養生③ 胃腸を冷やしすぎない

暑い日には、冷たい飲み物やアイス、そうめんなどが欲しくなります。

適度に楽しむのはよいのですが、冷たいものばかりになると胃腸に負担がかかることがあります。

東洋医学では、胃腸の働きが弱ると、食べ物から十分な「気」を作り出しにくくなると考えます。

食欲が落ちているときこそ、温かい汁物や消化しやすい料理なども取り入れてみましょう。

夏だからといって、すべての食事を冷たくする必要はありません。

夏の養生④ しっかり休む

夏は日が長く、活動する時間も長くなりがちです。

しかし、暑さそのものによって体力を消耗しています。

疲れを感じたときには、無理をせず休むことも大切な養生です。

また、熱帯夜には寝苦しく、睡眠不足になりやすくなります。

寝室でもエアコンなどを上手に使い、眠りやすい環境を整えましょう。

よく動き、しっかり休む。

メリハリをつけて過ごすことが、夏を元気に乗り切るポイントです。

夏におすすめの食材

夏には、体の熱を冷ましたり、失われた潤いを補ったりすると考えられている食材があります。

トマト

東洋医学では、体にこもった余分な熱を冷まし、のどの渇きを和らげる食材とされています。

夏の食卓にも取り入れやすい代表的な夏野菜です。

きゅうり

体の熱を冷まし、水分の巡りを助ける食材と考えられています。

暑い日にさっぱり食べられるのも魅力です。

枝豆

東洋医学では胃腸の働きを助け、余分な水分の排出を促す食材と考えられています。

たんぱく質なども含み、夏の食事に取り入れやすい食材です。

スイカ

夏を代表する食材のひとつです。

東洋医学では、体の熱を冷まし、のどの渇きを和らげると考えられています。

ゴーヤ

独特の苦味が特徴の夏野菜です。

東洋医学では、苦味には熱を冷ます働きがあると考えられており、暑い季節に取り入れたい食材のひとつです。

旬の夏野菜や果物を楽しみながら、暑い季節を元気に過ごしていきましょう。

夏におすすめのツボ

労宮(ろうきゅう)

手のひらにあるツボです。

手を軽く握ったときに、中指の先が当たるあたりにあります。

東洋医学では「心」と関係が深く、心身の緊張やほてり、イライラなどが気になるときに使われるツボです。

親指で心地よい程度の強さで、ゆっくり刺激してみましょう。

足三里(あしさんり)

膝のお皿の外側から、指4本分ほど下にある代表的なツボです。

胃腸の働きを整え、体の元気を補うツボとして古くから使われています。

暑さで食欲が落ちたときや、夏の疲れを感じるときにもおすすめです。

まとめ

夏は、自然界の「陽」の気が最も盛んになる季節です。

東洋医学では「心」と関係が深く、暑さや発汗によって「気」や「津液」を消耗しやすい時期でもあります。

暑さを避ける。
こまめに水分をとる。
胃腸を冷やしすぎない。
旬の夏野菜を味わう。
そして、疲れたらしっかり休む。

夏は活動的に過ごせる楽しい季節ですが、頑張りすぎる必要はありません。

暑さとうまく付き合いながら、活動と休息のバランスをとること。

それが夏の養生につながります。

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