「東洋医学」と聞くと、鍼灸や漢方薬を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
もちろん、それらも東洋医学の一部です。しかし、東洋医学は単なる治療法ではなく、人が本来持っている力を引き出し、健康を保つための考え方でもあります。
東洋医学には、陰陽や五行、気・血・津液など、さまざまな理論があります。
その中で、私が東洋医学を学ぶ中で最も魅力を感じたのが、「中庸(ちゅうよう)」という考え方です。
中庸とは
中庸とは、「偏らず、ちょうどよい状態」を意味する言葉です。
熱すぎず、冷えすぎず。
食べすぎず、食べなさすぎず。
働きすぎず、休みすぎず。
極端ではなく、その人にとって最も自然で無理のない状態を目指します。
人によって「ちょうどよい」は違う
東洋医学では、「誰にでも同じ健康法が合う」とは考えません。
例えば、体が冷えやすい人には、体を温める食べ物や生活習慣を勧めます。
一方で、暑がりでのぼせやすい人には、体を冷ます食べ物を取り入れることがあります。
つまり、「温めること」が正しいのでも、「冷やすこと」が正しいのでもありません。
その人の体質や体調に合わせて、偏りを整えることが大切なのです。
現代人にこそ必要な考え方
現代は健康に関する情報があふれています。
「○○を食べれば健康になる」
「○○は体に悪い」
このような情報は参考になりますが、それがすべての人に当てはまるとは限りません。
東洋医学では、年齢や体質、季節、生活環境などを総合的に考え、その人に合った方法を選びます。
だからこそ、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの医学とも言えるでしょう。
西洋医学との違い
西洋医学は、病気の原因を見つけ、診断し、治療することを得意としています。
一方、東洋医学は、その人全体を見ながら、心と体のバランスを整えることを大切にします。
どちらが優れているということではありません。
それぞれに得意な役割があり、お互いを補い合うことで、より良い医療につながると私は考えています。
おわりに
健康とは、何かを頑張り続けることではありません。
自分の心や体の声に耳を傾け、その時の自分に合った暮らし方を選ぶこと。
東洋医学は、その人にとっての「ちょうどよい」を大切にしながら、心と体の調和を目指す医学です。
現代だからこそ、「中庸」という考え方は、私たちの暮らしに役立つヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

