東洋医学では、同じ病気でも、一人ひとり体質が違うと考えます。
そのため、「どんな病気か」だけでなく、「どんな体質なのか」を大切にし、その人に合った養生や治療を行います。
今回は、東洋医学で代表的な体質の一つである**「気虚(ききょ)」**についてご紹介します。
「気」とは?
東洋医学でいう「気」とは、生命活動を支えるエネルギーのようなものです。
呼吸や食事から作られ、体を動かしたり、内臓を働かせたり、血液や水分を巡らせたり、病気から体を守ったりと、さまざまな役割を担っています。
目に見えるものではありませんが、人が健康に生活するために欠かせない存在と考えられています。
気虚とは?
「気虚」とは、この「気」が不足している状態をいいます。
スマートフォンで例えるなら、充電が少なくなったバッテリーのような状態です。
十分な力を発揮できず、疲れやすくなったり、回復に時間がかかったりします。
東洋医学では、病気というよりも、「エネルギー不足になりやすい体質」と考えます。
気虚の特徴
気虚の人には、次のような特徴がみられることがあります。
- 疲れやすい
- 体がだるい
- 少し動くだけで息切れする
- 食欲がない
- 風邪をひきやすい
- 汗をかきやすい
- 声が小さい
- やる気が出ない
もちろん、これらの症状だけで気虚と判断することはできません。
東洋医学では、症状だけでなく、脈や舌の状態、生活習慣なども含めて、体全体のバランスをみて判断します。
気虚になりやすい原因
気虚は、生まれつきの体質だけでなく、日々の生活習慣も大きく関係しています。
例えば、
- 睡眠不足
- 働き過ぎ
- 食生活の乱れ
- 長期間の病気
- 加齢
などによって、「気」が不足しやすくなると考えられています。
また、東洋医学では、胃腸は「気」を作る大切な働きを担っていると考えられています。そのため、胃腸の調子が悪い状態が続くと、気虚になりやすいとされています。
気虚の養生
気虚の人は、「気を補うこと」と「気を消耗しすぎないこと」が大切です。
そのため、
- 十分な睡眠をとる
- 三食を規則正しく食べる
- 胃腸に負担をかけない食事を心掛ける
- 無理をしすぎず、疲れたら休む
- 軽い散歩やストレッチなど、適度に体を動かす
といった生活を意識するとよいでしょう。
気虚におすすめの食材
東洋医学では、「気」を補う食材として次のようなものがよく用いられます。
- ご飯
- 山芋
- かぼちゃ
- 大豆
- 枝豆
- 鶏肉
- なつめ
- しいたけ
冷たい飲み物や食べ物の摂り過ぎは胃腸に負担をかけるため、温かい料理を取り入れるのもおすすめです。
おすすめのツボ
**足三里(あしさんり)**は、気虚の方によく使われる代表的なツボです。
膝のお皿の下から指4本分ほど下、すねの外側にあります。
胃腸の働きを整え、疲労回復や体力維持を助けるツボとして、古くから親しまれています。
おわりに
気虚は、東洋医学で考える代表的な体質の一つです。
「最近疲れやすい」「以前より体力が落ちた気がする」と感じる方は、自分の体質を知るきっかけになるかもしれません。
東洋医学では、病気になってから治すだけでなく、日頃から体質を知り、自分に合った養生を続けることを大切にしています。
まずは、自分の体と向き合うことから始めてみませんか。
※この記事は東洋医学の考え方をご紹介するものです。東洋医学は健康づくりやセルフケアの一助となるものですが、診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合や体調不良が続く場合は、医療機関を受診してください。
