永平寺から白山、金沢へ|禅と養生を考えた北陸の旅①

国内旅行

シルバーウィークに、京都から福井、そして石川へ旅に出ました。

旅の目的は、永平寺、白山登山、そして金沢観光です。

今回は旅の経費を抑えることも兼ねて、特急を使わず普通列車を乗り継いで北陸へ。時間はかかりますが、車窓を眺めながら少しずつ目的地に近づいていく鈍行の旅には、特急では味わえない旅情があります。

最初に向かったのは、福井県の永平寺です。

20代の頃、衝撃を受けた永平寺

永平寺は、私にとって以前から気になっていた場所でした。

20代の頃、私には衝撃を受けた二つの映像がありました。

一つはマザー・テレサの映像。そしてもう一つが、永平寺の修行僧の生活を映した映像でした。

永平寺の映像で特に衝撃を受けたのは、その修行生活の厳しさです。

まだ暗いうちから起き、坐禅や読経、掃除などを行い、細かな作法や決まりの中で生活する。厳しく指導される姿を見ながら、

「なんでこんな厳しい生活をしているんだろう」

と不思議に思ったことを覚えています。

何のためにそこまで自分を律するのか。そもそも禅とは何なのか。

当時の私には、よく分かりませんでした。

それでも、その映像はなぜかずっと心に残っていました。

30代で参加したヴィパッサナー瞑想

30代になって、私はヴィパッサナー瞑想の10日間の合宿に参加しました。

ヴィパッサナー瞑想とは、自分の心や身体に起きていることを、ありのままに観察していく瞑想法です。仏教にルーツをもち、現在広く知られているマインドフルネス瞑想の源流の一つともいわれています。

合宿中はひと言もしゃべらず、毎日長い時間、瞑想を続けます。

自分の身体にどんな感覚があるのか。どんな思いや感情が浮かんでくるのか。それらに意識を向けながら、自分自身と向き合う10日間でした。

そこには、永平寺の僧侶も参加していました。

では、なぜ自分自身もそんな場所に行ったのだろう。

今振り返ると、当時の私は、どういうふうに生きていくことが自分にとって幸せなのかを模索していたのだと思います。

世の中で「普通」とされている生き方を、そのまま歩いていくことが本当に自分にとって幸せなのか。

仕事をして、周囲に合わせ、世の中の常識に沿って生きていく。それが本当に自分の望んでいる生き方なのか。

答えがあったわけではありません。

ただ、自分なりに「どう生きるのか」を探していた時期だったのだと思います。

そして、今回の旅で永平寺へ

それから年月が経ち、今回ようやく永平寺を訪れることができました。

境内に入ると、大きな杉や木々の緑に囲まれ、街中とは空気がまったく違います。

20代の頃、映像を見ながら「なんでこんな厳しい生活をしているんだろう」と思った永平寺に、今、自分が立っている。

少し不思議な感覚がありました。

禅とは何なのか

20代の頃の私は、そもそも禅とは何なのか、よく分かっていませんでした。

禅というと、まず坐禅を思い浮かべます。

しかし禅は、ただ座って瞑想することだけではありません。掃除や食事など、日々の営みそのものも大切にします。

そこに共通しているのは、自分の心や身体、そして今この瞬間に起きていることに気づき、丁寧に向き合うことなのだと思います。

そう考えると、30代で経験したヴィパッサナー瞑想とも、どこか通じるものがあります。

そして今では、そこに養生とのつながりも感じています。

食べること、眠ること、身体を動かすこと、呼吸を整えること。そして、心を整えること。

養生も、何か特別な健康法だけを指すものではありません。毎日の暮らしを整えながら、心と身体を健やかに保っていく。

禅と養生。一見すると別のものですが、日々の生活の中で自分自身を整えていくという点で、重なるところがあるように思います。

永平寺で目にした「はきものをそろえる」という言葉も印象に残りました。

実をいうと、私は整理整頓がどちらかといえば苦手です。もちろん、部屋がゴミ屋敷のようになるわけではありませんが(笑)、いつも身の回りがきれいに整っているタイプでもありません。

だからこそ、「はきものをそろえる」という、ごく当たり前の言葉が妙に心に残りました。

靴をそろえる。使ったものを元の場所に戻す。目の前の小さなことを丁寧にする。

そういう日々の積み重ねが、自分自身を整えることにもつながるのかもしれません。

20代の頃には「なぜこんな厳しい生活をするんだろう」と思っていた禅の世界が、今では少し違って見えるようになりました。

この日の宿はネットカフェ

永平寺をあとにして、この日は石川県へ移動しました。

実は今回の旅は、9月に入ってから急遽予定に入れたものでした。

しかもシルバーウィークということもあり、宿泊料金はかなり高騰していました。そもそも空いている宿がなかなか見つからず、あったと思っても驚くような料金だったりします。

そこで今回は、最初からネットカフェに泊まることにしました。

予約の必要もなく、宿泊費もかなり抑えることができます。フラットシートなら横になって休むことができ、シャワーもあるので便利です。

普通列車を乗り継いで石川県へ移動し、この日はここで休むことにしました。

翌日は、今回の旅の大きな目的の一つである白山登山です。

天気を心配しながら、眠りにつきました。

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